「これから国内株式に投資しても大丈夫?」
「投資をするなら日経平均株価とTOPIXのどちらが良い?」
2024年3月4日。ついに日経平均株価が4万円を超えました。
これはバブル崩壊後の最高値を更新したことを意味しており、投資することへの不安や今後の変動に注目が集まっています。
そこで今回は、
・これから国内株式に投資しても良いのか
・仮に投資するとしたら、日経平均株価とTOPIXのどちらが良いのか
主にこの2点に焦点を当ててお話していきます。
これから国内株式へ投資を始めても良い!ただし、その条件とは?
まずはじめに結論として、これから国内株式に投資するのはOKです。
ただし条件があるので、この記事を最後までご覧ください。
また、仮に投資するならTOPIXを選ぶようにしましょう。
この結論を念頭に置きながらさらに詳しく解説していきます。
日経平均株価とは?
日経平均株価とは、日本経済新聞社が算出・公表している日本で一番有名な株価指数です。
東京証券取引所プライム市場に上場している株式のうち225社の株価の平均が表されています。
日経平均株価の特徴
- 日本で最も知名度の高い株式指数
- 日経225とも呼ばれる
- 値がさ株(1株あたりの株価が高い株式のこと)の影響を受けやすい
さらに日経平均株価に大きな影響を与える「値がさ株」とは、1株あたりの株価が高い株式のことを言います。
以下に例をあげますが、大きな企業、または儲かっている企業が単純に株価が高いわけではありません。
企業名 | 株価 | 時価総額 |
---|---|---|
ソニー | 13,010円 | 16.4兆円 |
ファーストリテイリング (ユニクロ) | 44,380円 | 14.1兆円 |
三菱UFJ | 1,585円 | 19.5兆円 |
トヨタ | 3,679円 | 60.1兆円 |
ソニーやファーストリテイリングの株価は高いですが、時価総額が高いわけではありません。
反対に、日本で一番大きな会社であるトヨタは時価総額60.1兆円であるにも関わらず、株価は前者と比べても倍以上低い3,679円になっています。
これはなぜかというと、それぞれの企業が発行している株式数が違うためです。
時価総額に対して株式の数が多くなるので、一株あたりの価格が下がることになります。
例えば、株価が高いファーストリテイリングの株価が5%上がると日経平均株価に与える影響が大きくなります。そのため値がさ株の企業の値動きが日経平均株価に大きく影響を与えると言われるのですね。
TOPIXとは?
一方でTOPIXとは、東京証券取引所が算出・公表している株価指数のことです。
旧東証1部上場(現東証プライム市場)の約2100社の時価総額(会社の規模)を指数化したものを言います。
基準日である1968年1月4日の時価総額「約8兆6020億5695万154円」を「100」として現在の価値を表しています。
TOPIXの特徴
- 時価総額加重平均を用いている
- 広く分散されている
- 時価総額の大きい企業に大きな影響を受ける
日経平均株価とTOPIXどちらを選んだ方が良い?
結論から言うと、投資をするならTOPIXを選んだ方が良いです。
理由は大きく3つあげられます。
- 時価総額加重平均がもっとも効率がいいから
- 分散が効いているから
- 過去の成績と未来の成績は関係ないから
さらにこの3つを詳しく解説していきましょう。
時価総額加重平均がもっとも効率がいいから
まず「時価総額加重平均がもっとも効率がいいから」というポイントですが、その理由はさらに細かく以下の3つに分けられます。
・値がさ株の影響を受けにくい
→日経平均株価の場合だと、先ほど説明した通り値がさ株の影響を受けやすくなります。なるべくその歪みを押さえるためにも、時価総額の規模によってウエイトを決めているTOPIXの方が良いです。
・流動性が保ちやすい
→日経平均株価だとどうしてもその価格の高い株とか価格の低い株を動かすと影響受けやすいので、この時価総額加重平均の方が流動性が保ちやすくなります。
・市場の時価総額と同じウエイトを保ってくれる
→株式市場の会社の規模と同じウエイトを保ってくれます。
分散が効いているから
次に「分散が効いているから」というポイントについて。
日経平均株価とTOPIXを企業数で比べると
・日経平均株価:225社
・TOPIX:約2100社
となり、TOPIXの方が分散が効いていることがわかります。
過去の成績と未来の成績は関係ないから
最後に「過去の成績と未来の成績は関係ないから」というポイントは以下の表をご覧ください。

この表は過去10年間の日経平均株価とTOPIXの値動きを表しています。
これを見ると日経平均株価の方が成績が良いです。
しかし、この成績はあくまでもこの10年の結果を表したものであって、この10年TOPIXよりも日経平均株価が良かったからといって、これから先の10年でどちらが成績がいいかというとこれは誰にも分かりません。

過去の成績と未来の成績は一切関係がないので、どちらを選ぶかはこの成績では決められないのです。
以上から言えるように、投資先を選ぶときは過去の実績で評価するのではなく、「なぜ」そこに投資するのか、「理由」を明確にしましょう。
これから国内株式に投資を始めてもいいのか?
「日経平均株価が4万円を超えTopixは非常に高い、現状を踏まえてこれから国内株式投資を始めてもいいのか」と疑問に思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
結論から言うと、これから国内株式に投資を始めてもOKです。
その理由は「今値上がりしているから」ではなく、「長期的に右肩上がりに成長していく」からです。
国内株式が上がり続けるかは誰にも分らないので、未来を予測することは無駄にしかなりません。
ただ、経済は長期的に見ると右肩上がりに上昇していきます。
どこに投資をするかというのは、今上がっているからやこれから上がりそうといったことで決めるのではなく、例えば外国株式や国内株式、外国債券や国内債券など、何にどれくらい投資をするかということで決めていきましょう。
例えば、
為替の影響を抑えるために
・先進国株式+国内株式
・SP500+国内株式
・全世界株式(除く日本)+国内株式
外国株式と国内株式を組み合わせるといった方法が考えられます。
まとめ│明確な理由を持って投資し、運用結果よりも分散や算出方法に着目する
最後に、今回のポイントをまとめておきます。
・日経平均株価とTOPIXは算出方法が違う
→日経平均株価は株価の平均、そしてトピックスは時価総額(会社の規模)で計算されている
・TOPIXの方が広く分散されている
→日経平均株価は225社、TOPIXは約2000社ぐらいあるのでより分散されている
・どちらに投資をしたら良いのか考えるときは、運用結果よりも分散や算出方法によって選ぶ
→未来は分からないので分散や算出方法に着目して選ぶことが大切
・今から国内株式に投資をする場合には、明確な理由を持って投資すること
・トレンドを追って投資方法を変えるのは悪手
→国内の株式だけに関わらず、国外株式においても、トレンドを追って投資方針を変えるのはいい結果には繋がらない