こんにちは、FPのまつおです。
突然ですが、今日は外貨預金について解説したいと思います。
みなさんは外貨預金ってご存じですか?
名前のとおり外国のお金で預金します。
なぜかというと日本は30年近くずっと低金利なので、銀行に預金していても利息がつきません。
でも海外だと日本より金利が高いので預けると、利息が日本より多く受け取ることが出来るんです。
そんな外貨預金ですが、私はおすすめしていません。
もちろん金融商品を取り扱っているわけではないので、勧誘等ももちろんできないのですが、理由はそれだけではありません。
金融機関や保険会社では「日本は低金利なので金利の高い外貨でお金を預けませんか?」と案内しているところも多いです。
確かに日本の現在の金利は、銀行預金で約0.001%で100万円預けると、1年間で利息が10円しかもらえません。
しかし、アメリカのドルなら1年定期で0.1~0.25%、南アフリカのランドなどは2.35%ほどのところもあります。
世界的に低金利なため驚くほどの金利ではありませんが、現在の日本の金利と比べると魅力的に感じる人もいらっしゃるのではないでしょうか?
ただ、外貨預金は利息だけではなく『為替』の影響と手数料を考えなくてはいけません。
例えば、アメリカの金利が年利1%、1$=100円の時に100$の預金をしたとします。
ひとまず分かりやすく手数料は考えません。
1万円で100$に交換して預けます。
1年後には101$になる訳ですが、私たちは日本に住んで「円」で生活しているので「円」に両替しなければいけません。
その時の為替によって手元に戻ってくるお金が変わってきます。
ちょっと難しい話ですが、ちょっと我慢して聞いてください。
1$=100円から90円になると円高、110円になると円安です。
ここで「???」となった方、我慢してくださいね。
「1$札」を円に変えるときに90円しかもらえないのは、$の価値が下がったからです。(円高ドル安)
逆に「1$札」が110円になるということは$の価値が上がったからです。(円安ドル高)
「1$札」をリンゴに変えてみるとわかりやすいかもしれませんね。
リンゴが90円はリンゴ安、110円はリンゴ高です。
外貨預金の話に戻ると
1$=90円 9090円
1$=100円 10100円
1$=110円 11110円
となります。
ここ数年は為替の動きが穏やかですが、普通は1年で10円以上変動することは当たり前です。
これを「為替リスク」と言います。
これが1年後に円安になるか円高になるかは誰にもわかりません。
私は短期で為替がどう動くか予測して外貨預金をするのを否定はしません。
ギャンブルだと思って楽しみでされてみてもいいのではないでしょうか。
ただ、「資産運用」「投資」「将来の資産形成」としては向かないと思っています。
なぜなら、『長期では金利の高い国の通貨は安くなる』からです。
覚える必要はありませんが、「金利平価原理」といいます。
アメリカの金利が日本より高いと、ドル安になります。
すると金利の高い国の通貨で預金をしても、為替で相殺されてしまいます。
ですから高い金利がついても手元に来るお金は変わらないんですね。
むしろ無駄な「為替リスク」だけを取ってしまいます。
そして外貨預金にはもう一つ手数料がかかります。
円をドルに換えるとき
ドルを円に換えるとき
2度手数料を金融機関に払うことになります。
そうすると、金利を為替で相殺され利息は手にできないばかりか手数料の分だけマイナスになってしまいます。
もちろん、運よく円安の時に円に換金できれば、ラッキーでしょうが、大切な資産ですからリスクに見合ったリターンがあるとは考えにくいと思います。
以上のように外貨預金は
①金利が為替によって相殺される
②手数料の分マイナスになる
という理由でおすすめしていません。
大切な財産です。
ローリスクハイリターンではもったいないです。
適正なリスクとリターンを取りましょう。
最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました(^-^)