こんにちは。ファイナンシャルプランナーの松尾です。
「60歳の女性が10年間投資を続けられた結果」
という内容の動画をYouTubeで公開しています。
↓動画でみたい場合はこちらをご覧ください。
この方は今現在70歳で、地方在住。
ご夫婦で自営業をされていらっしゃいます。娘さんが二人いらっしゃいますが、すでに独立され、
ご結婚もされて、それぞれ生活されています。
「50代60代から投資を始めるのは遅いんじゃないの?」
「年齢を重ねてからリスクを取るのは怖い」
と考えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
最近は、原油などの価格の高騰や、物の価格が上がるインフレを心配する人が増えてきました。
物の値段が上がることで、相対的にお金の価値が減るため、リスクよりも安全性を重視したい一方で、投資への関心は高まっています。
50代60代で投資を始めるかどうか迷っている場合、どのようにすればいいのか、ご説明していきたいと思います。
10年間の投資の驚くべき結果
今回は、まず現在の状況、それからなぜそのような結果になったのか、最後に、実際に50代60代の方がどのように投資を行ったらよいか、
という順に話を進めていきたいと思います。
2022年2月25日現在の投資結果です。
この方は2012年の 夏に国債の満期を迎えられたのです。
約500万円の満期だったと記憶しています。「初めてだから」ということでそのうちから、200万円を投資されました。
その結果が422万1,952円になっています。
運用益は222万1,952円で投資額は2倍になっています。
では、どのようなところに投資したのでしょうか。
皆さんは、指数に連動した動きをする投資信託をご存知でしょうか。
例えば、日経平均株価という指数があります。
この指数と同じように値動きする投資信託があるのですね。
こちらに投資をされています。
実際に投資されたのは、先進国株式と国内株式(TOPIX)です。
それから2019年に別の国債が満期になり、200万円を追加投資されました。
その時の200万円は、現在230万8408円になっています。
こちらはまだ3年弱の運用ですので、運用益は30万8408円です。
今回は株式だけではなく、先進国株式、国内株式、それから先進国と国内の債券にも分散投資をされました。
ですから、トータルは、
投資額400万円、評価額は653万360円、現在の運用益は253万360円ということになっています。
株価の大きな変動があっても投資を続けられた理由
この方が、10年間運用ができた理由ですが、
まず1つ目に、分散投資がしっかり出来ている、ということです。
いちばん最初に投資を始められた時も、先進国株式、それから日本の株式に投資をされています。
先進国株式には 、MSCIコクサイという指数があります。日本以外の先進国22カ国の株式の指数です。
そして2つ目に、リスクのコントロールがしっかりできていた、ということです。
重要なのは、総資産のうち
リスクが取れる資産(変動してもいい資産)
リスクが取れない資産(変動して減っては困る資産)
これらにしっかり分ける必要があります。
この方は、私が把握している範囲で、だいたい総資産が2000万円ぐらいお持ちだと把握しています。(実際はさらにお持ちなのかもしれません。)
その総資産の中でどれだけ変動して良いか、ということを考える必要があります。
一般的に株式で運用すると、通常でだいたいプラスマイナス20%ほど変動します。大きな下落があるときは30%ほど下落する場合もあります。
ですから、そのくらいの金額が下落しても大丈夫か、ということを、率ではなく金額で具体的にイメージする必要があります。
そしてこの方の場合、やはり自営業で国民年金のため、年金はあまり多くありません。
お仕事も、いつまで仕事ができるか分からない中で、いつでも使える資金をしっかり確保することが重要だということです。
そして3つ目は、大きな下落や上昇相場でも冷静さを失わないということです。
2012年からアベノミクスがスタートして以降、基本的にこの10年間は大きな上昇相場でした。
ただし、10年間で多くの下落や暴落もありました。
例えば、
2015年チャイナショック
2016年イギリスの EU 離脱(通称Brexitブレグジット)
2018年には米中貿易摩擦
2020年コロナショック
このような下落を何度も経験した中で保有できた理由は、変動しても良い金額をしっかり把握して投資を行っているからです。
もちろんこの変動しても良い金額というのは、保有している資産によっても変わってきます。
リスク資産、無リスク資産に分けることが重要
50代60代で投資を始める場合に重要なことは、国際分散投資、つまり世界中のいろんなところに分散投資をする、ということです。
そして「リスク資産」「無リスク資産」に分けて、リスクコントロールすることが重要です。
やはり収入が少なくなったり、年金生活になる中で、いつでも使える資金を常に確保しておくということは必要です。
なぜなら、最後にお話した「大きな変動に冷静さを失わない」、という事につながってくるからです。
これから先も大きな下落や、大きな上昇相場は必ずやってきます。
その時にリスクコントロールをしていないと、大きな下落の時に解約をしてしまいます。
また反対に、大きく上昇して資産が増えた時に、気分を良くしてたくさん投資をします。すると、自分が許容できるリスク以上の投資をしてしまう可能性があります。
そのような中で、50代60代から投資を始める場合、
リスクコントロール出来る
大きな変動に冷静さを失わない
そのために、投資信託は最も適した投資先だと考えます。